中学生の時分、幼なじみのマリに誘われて、近所の魚屋でアルバイトしていたことがある。働いて他人からお金をもらう初体験だった。仕事の内容としては、売り子に掃除、烏賊の内蔵取り、あまり大きくない魚を2枚や3枚に下ろす、刺身のツマ作り、それからひこいわし(しこいわし)の刺身作り。

昨日行ったスーパーの魚屋で、活きのいいキビナゴが1パック180円と大変お安くて2つ買った。少し前にどこかの爆弾母さんがアップした、おいしそうな刺身の写真が頭の片隅にインプットされていたものだろう。張り合ったのか。そういえば、わたしは時々彼女を意識して料理することがある。例えば弁当にミニトマトを "ちっちゃな赤で誤魔化しますわよ!" と思いながら入れるとき、ミニトマトや冷凍食品で誤魔化すことのない彼女の愛情弁当を思い出している。烏賊を調理するときには間違いなくお互い相手にかけ声を掛けていることと思う「さぁよろしくて?ブシューッ!といきますわよー」。

家族以外とは交わらないここでの生活の中、そんなわけで昨日は爆弾母さんを勝手に自分のフィールド(脳内厨房)に連れ込んで、キビナゴを手開きにした。思えば信じられないことに、キビナゴの刺身はそのバイトの時以来作っていなかった。40から14を引くと? …26年ぶりにする作業だ。昔は手がいつもひんやりしていたわたしも、いつの頃からか、いつも温かい手をしているようになった。これは魚を調理するとき、本当に最悪。身が柔らかくなってしまい、まずくなるし、美しくない。手の温かさをいやだなぁと思いながら、おぼつかない手つきでなんとか刺身を作り、残りは唐揚げにした。

夕食時、大変喜ばれた。

夜の散歩のとき、スイカズラと植え込みの白い花を公園で盗んで、キッチンに飾った。

眠れないかもしれないと思いながら親方の手を握りしめていつの間にか眠った。

静かな生活のひとこま。

コメント

すいれん
2009年5月16日22:22

きびなごってこういう字を書くの、初めて知りました。
瀬戸内海のおさかなじゃなかった?
むささびさんの静かな生活、温かい気持ちになります。

むささび
2009年5月17日21:57

わたしも知らなかった(^^; キビナゴと入力して変換したらこう出たのです。確かに瀬戸内で獲れたものみたい。ラベルにそう書いてありました。

刺身は手間がかかったけど、唐揚げはハラワタも取らないので簡単でした。フライパンに浅く油をしいて作ったの。よいつまみになります。わたしも親方もお酒が弱いので滅多に飲まないのですが、この日は350mlをふたりで分け合ってしまった。ある意味「閉じた」生活なのだけど、天災的な風の入りは少ないので、波風立たない我が家です。

しかし。

そろそろ人恋しいかも! 一昨日は「山と親方のわたしたち」のその「山」に登って、ハイキングしている人たちと「おはようございまーす!」とかなんとか挨拶し合いまくってしまった。不覚にも人に対する飢えを自覚。そろそろ活動再開しようかとおもっとります。

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