女ってやつはまったく
女ってやつはまったく
女ってやつはまったく
近頃わたしは機嫌が悪かった。頭ではいろんなことがわかっていても、生活に疲れていたのだと思う。

夫の職業は大工の親方。家庭の中でも職業上の視点で物を見てしまうので、ほこりも汚れもゆがみも気になるし、常に職人に仕事を割り振り、段取りを組んで、現場を動かしている人の身にしみついた物差しで、わたしの家事をこなすスピードや能率も計ってしまう。なんでもできる人なので自分よりいい仕事をしない人間には辛辣にあたりがち。刃のようなひと言に何度ざっくり切られたことか。20才年上で厳しい世界で戦って勝っている夫の価値観についていけず劣等感に苛まれ、家族以外の人とふれ合わず、終わりのない掃除・炊事・庭仕事・育児・隙さえあらばの夫婦生活に応えていると、眠る時間はいちにち4時間くらい。徐々に「まだ大丈夫かまだやれるか」と自問自答してしまう夕暮れが増えてくる。

昨日は以前住んでいた家に水着を取りに行った。季節は移ろい、プールの授業が始まってしまうのだ。湖にほど近いその家に向かって車を走らせていると、なぜか涙が溢れる。いろんな方法で自分に暗示をかけて憂うつを振り払おうとしても、どうしても哀しくてたまらない。2時間後、現地到着。泣いていても仕方ないので、近所の人にあいさつをし、荷物を積み、生い茂った雑草をやっつける。おそろしい量の雑草、小鳥の白骨死体、毛虫、蜘蛛の巣、蚊、裏のじじいとばばあ(前から苦手)などの天敵と3時間戦って、なんとか日暮れの頃ミッションが終了した。

汗と共に大部分の憂うつが消えていることに苦笑しながら帰路につく。

夫のほうが先に帰宅しており、ごはんが遅くなったことに腹を立てている。明るく振る舞いながら、そっとロキソニンを飲み下す。脱水症状なのか頭が割れそうなくらい痛んでいたのだ。

今朝、夫が朝ごはんを外に食べに行こうと誘う。朝食のかまぼこに添えるはずだったわさび漬けを流し台の上の皿にのせたままで、やや強引に連れ出される。憧れていた竹の寺で茶を喫したり、海沿いの店でお昼ごはんを食べさせてくれたり、くずきりやあんみつを食べさせてくれたり。

あたしは女だ。単純なタイプのほうの。

花と竹と海と甘い物でなんて心がすっきりしているのだろう。単純な自分にあきれる幸福な日曜日。

画像1:孟宗竹の林です
画像2:6月ときたら紫陽花です
画像3:冷え冷えのくずきり


コメント

sara
2009年6月15日14:37

むささびさん、読ませてもらいました。
いろんなこと、きっと時の積み重ねで変わっていくのじゃないでしょうか。
 ところで赤いかわいいバラはもう咲き終わりましたか?
 検索の結果「マザーズディ」という名前じゃないかとおもいます。私の庭にも咲いているのだけど、花が長く咲いていてとても強いバラです。
 ファーザーズディというバラも仲間なんですって。
 わたしはマザーズディという名前に惹かれています、だからむささび家の赤いバラ「マザーズディ」だったらうれしさも二倍!でもちがってたらごめんね。来年はきっともっと大きくもっとたくさん花を咲かせますよ。

むささび
2009年6月16日9:00

saraさん、おはようございます!

赤いちびバラはまだ元気に咲いています。とても花が長持ちしているので
saraさんの推理が当たって「マザーズディ」なのかもしれません。
そうだったらいいな。母業は死ぬまで(死んでも?)終わりがないと先輩たちは
みな言っていますもの。同士として、庭からずっと応援していてもらいたい
ものなのです。「ファーザーズディ」もそろえて植えたら家族円満のお守りに
なるかな(^^)

親方は難しい人ですが、難しい性質なのはわたしも一緒。親方は今年61才になります。何才まで生きられるかわかりませんが(少々大げさですがホントのところ)時間が無限にあるとは思えない。後悔ないように仲良く暮らしていきたいとつくづく思っています。問題はわたしはそう思ってるけど彼も同じように思っているのかどうか(ふぅー)。まぁでも我慢するとこは我慢して、あとは持ち前のいい加減さで頑張ります。時々耐えきれなくなったらここでガス抜きをして、お気に入りのみなさんの文章で気分転換させてもらったり癒されたりしよっと。

明後日は父に会いに行ってみます。saraさんの日記を読むといつも父母が恋しくなりますよ。

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