今、わたしに一番近い川

昨夜は蛍を見に行かなかった。さっちが「プリンターのインクがないとホントやばいんですけど…」と黒目がちに訴えてきたのと、データ（見積書や仕様表）がFAXに送られてきているというのに、コピー紙がないためプリントアウトできずにいたから、ついに夕食後、家電量販店に行く覚悟を決めたのだった。
　
窓を全開にした軽トラで気持ちよく走っていたが、途中で雨が！

昨日荷台には加工したばかりの木材（タモ材などいつも親方が大事にしている）が10本くらい乗っていたんだけど、親方がシートをいい加減に掛けた上に桟木（長い角材）を3束も乗っけていて、その重たい桟木をどかさなければシートをかけ直すことができないといういやなパターンだった。日光で材木が曲がるんじゃないかと、日中も気にしていた親方のへそを曲げたくなくて、シートとロープをかけ直した。恥ずかしいけど、30分もかかっちゃった。しかもなぜか汗だく。でも最後にはきちんとできて、材料も工具も濡れず、電機屋の閉店時間にも間に合った。

なぜかわたしはその電機屋の駐車場から見る景色が好きだ。とくに夕暮れ以降の風景がいい。忙しかったので、昨日はチラッと見ただけだけど、数棟の大きなマンションに向かって、幹線道路の低いアーチが伸びやかに登って行っていて、そこをひっきりなしに車のヘッドライトとテイルランプが行き来している様を、飽かずずーっと見ている日もある。川の流れを眺めている感覚と少し似ている。だから好きなのかもしれない。今、わたしに一番近い川には車が流れている。

家にたどり着いて親方に報告しようかと思ったが、ぐっすり眠っていた。

朝、彼は起きると真っ先に玄関を出て車を見に行った。そりゃ心配だろうとも。親方は荷台に大事なものを置いたまま、歩道に軽トラを放置したままだったんだもの。戻ってきて「ちゃんとしておいてくれてありがとね」と褒めてくれた。

ふっふーん。