2011年　明日は鏡開き

年明けて、元旦には自宅でおせちを食べ、そのあと親方の姉さん宅へ年始に行く。そのまま車で実家へ強行軍。子どもらは3日まで滞在予定。妹と母が様々な食べ物でもてなしてくれる。もうそろそろおなかがいっぱいだよと思う頃、母が「あ、ちえみさんから送られてきたカキがあったんだった！」と思い出し、わざわざ大根おろしで洗ってくれた。妹が「マミー、そんなにまでしなくていいよ」と声を掛けると「襞の奥まで洗いたいの…」と凄みのある声で言う。頭の中が中学生の妹とわたしは、エッチな空想が止まらず笑い転げる。親方は苦い顔で見ていたが、もうこうなるとダメである。母が箸を洗う音を聞いても「占ってる！占ってる！」などとからかい、また笑いが止まらない。母は真面目な人なのです。あとで箸でぶたれました。帰り道、助手席の親方が「気分が悪い」と言う。帰宅後、沈没。

2日。駅伝なんて見たこともなかったわたしだが、今年で3度目の箱根駅伝をテレビで応援。長女が22才ということもあり、どのランナーを見ていても、心配で胸がつぶれそうである。ハハゴコロ。広島の祖母は、かつて選手の股間鑑定ばかりしていたと母に聞く。なぜ！なぜおばあちゃんには母性というものがなかったのだろうか。41年で初めて祖母の人格を疑う。今はそんな破廉恥な鑑賞の仕方をしていなければよいのだが。例年、2日には長時間時代劇を見ながら年末年始の疲れを癒してきたが、今年はチラッとみただけだった。犬を抱きながら寝てしまったためである。親方はこの日も調子が悪い。

3日。親方復活につき、観音崎にでも行こうと誘われるが、親方の両親の墓に参り、ホームセンターに寄り込みたこ焼きを食べ帰宅。この夜からわたしが沈没。吐き気に見舞われ、それを押さえ込むようにして眠り続ける。子どもら帰宅。

4日。わたし、復活ならず。昏々と眠り続ける。気づくと親方は消えていた。最近気ままに姿を消すことが多い。これを記述している今日（1/9）もふらりといなくなった。構わぬ。閑話休題。夕刻に「すき家」の牛丼と共に帰宅。助かった。

5日。親方の誕生日。しかし、仕事に行くと言ってウキウキと出かけて行った。構わぬ。夜にはケーキを買って少しのごちそう。ケーキにろうそくを立てて、例の歌を歌っていた。「ハッピバースデー　ディア……おとーさーん」。普段　娘らは親方を名字にさん付けで呼んでいるため、気恥ずかしい空気が流れる。（”…つい流されて呼んじまったぜ！”）それを吹き消すように親方がろうそくを消した。62才、おめでとう。わたしの体調、戻る。ウィルス性の胃腸炎だった気がする。

6日。次の日を新しい学期の登校日に控え、娘らは鬼の形相で宿題に取り組んでいる。だーかーらーやっとけって言ったのにー。他人事のような顔でいると「雑煮レポートをやってなかった」というおそろしいひと言が。年明けてから二度目の雑煮を作り、レシピを書き、写真を撮り…あれ！？あたしが宿題をやっている！？トン以外のむすめは夜中までかかっていた。

7日。家族元気で留守がいい。このキャッチコピーの妙に感じ入る。元気、というところがミソ。洗っては干し、洗っては干しているとあっという間に子どもらが帰宅。家がまた散らかる。

8日。大山参拝。親方とあーたんとその友だちひとみも来る。やっぱケーブルカーに乗ってあそこまで参らねば、物足りない正月のまま、時が過ぎてしまう。今年は初めて神社だけでなく「大山寺（おおやまでら）」に参る。サッチの入試合格を祈願していただくためだ。慣れぬことゆえ、まごつきながら受付を終え、サッチとトムシカ、わたしがお坊さんの近くに座って手を合わせる。他の家族はふらふらとその場からいなくなっていたため、上がれなかったもの。真言宗のお経が好きになった。最近やたらとつくさんを思い出す。きみはあたしに密教を語ったことがあったでしょう。それに手をつないだらあんな模様。よく思い出すんだ、最近。閑話休題。大山寺の御本尊は不動明王で、毎月8のつく日が御開帳の日。鋳造の不動明王の前に座し、手を合わせる。機会あらば是非一度拝顔をみなさんにもおすすめします。そうそう、育てづらいトムシカも、仏の前には頭を垂れ手を合わせられることがわかった。この点でもわたしの心は救われた。佳き日かな。

9日。ようやく親方の誕生日プレゼントを買いに行った。親方はいつも他家の果物を盗むので、夏ミカンの木を買った。7つの実がついていた。車につみこんでいると、園芸屋さんが追いかけてきて「4月に食べて！」と言った。あぶないあぶない、教えられなかったら、親方はすぐに食べてしまっただろう。今日はもう暗くなった。朝一番に窓の外をのぞく癖のある親方なので、その時気が付くことだろう。今日、今、言いたくてうずうずする。

今年の抱負。生活をスリムに、自分もできればスリムに。

今年もどうぞよろしくお願いいたします。