トムシカ目医者に行く

トムシカ（四女）が、ひんぱんに腕や足に「ちね」られた痕をつけて、学校から帰ってきます。帰ってくると、いかに悲しかったか、痛かったか、やった子がいやなやつか、せつせつと訴えます。まぁ姉妹げんかにも「ちねり」はよく使われるワザで、陰険なタイプは、よくつねり攻撃を仕掛けるものだなぁというのがわたしの見解です。ちなみに、つまむ面積が広いのが「つねり」、小さな面積を爪を立てるようにしてちびっとつねるのが「ちねり」と、わが家では認識しています。

閑話休題。

小競り合いの毎日を、辛抱強く（自分の子どもがやられて平気な親はいません）我が娘も4人姉妹の末っ子、弱いはずがないと下剋上を信じて聞いていましたが、一昨日は消しゴムを投げつけられて、それが右目に当たってしまいました。

人間って、そんなときには、案外反射的に目をつぶり、ほとんどの場合、目の中に傷がつくことはないようです。トムシカの目も、わたしが見る分には大丈夫だったのですが、本人はおさまりません。聞けば、やられてすぐに保健室に連れて行ってもらい、ケアしてもらった様子。やった子は、先生方に激しく叱られていたとのこと。わたし以外の家族は、そんなトムシカのうらみ節を聞いて、「ママ！学校に行って先生に訴えなよ！」「あんた、先生に話した方がいいんじゃないのか」と心配しきり。4人の子どもを育てていると、他人さまに謝ったり謝られたりの歴史が少なからずあり、子どものケンカには、親がくちばしをはさまずに解決を見たほうが、我が子の成長にはゆくゆくプラスだと、わたしはそういう感覚です。

結局、消しゴムがぶつかった日とそのあくる日も、トムシカは「イタイイタイ」と暗い目をしています。そんなにひどくはないよ…と慰めてもダメ。よしそれなら、と町一番人気の目医者さんに行くことに決め、学校には「大丈夫だけど、本人の納得するように受診してみます。遅れて登校します。」と連絡帳を書いて軽い気持ちで出かけました。

ところがどっこい。朝一番に受付をしたのに、診てもらえたのは午後一時半です。全てが終わって帰宅したのは、午後三時。結局学校はお休みすることに。

いやいやいやいや助さんも格さんもまぁいいからいいから、と、鷹揚に仏顔を作ってはいられないほど疲れてしまいました。前日忙しくて4時間足らずの睡眠だったので、余計に「どうしてこんなにお金と時間を割かねばならんのだ！むかつく！」と、駐車場のバーをくぐるときには、鬼の形相だったかもしれません。

病院の待ち時間に、チョコレートファウンテンのあるお店で食事をして、自分の思うとおりの洋服を少し買ってもらって、トムシカは嬉しそうでした。わたしもお布施の気持ちに似て、何かしてあげられることがあれば、気持ちがスッとするものなので、それなりに意味がある一日だったけれど、まー疲れちゃったね。

夜は夜とて、ふとしたことからトムシカと揉め（トムシカの工作を誰かが潰してグズった）、泣きやませて、ふたりで作り直しをして、本を読んでやり、手下（犬たち）を連れて散歩で1時間ほど頭を冷やし、帰ってくるとマイマイが「体操着にゼッケンつけて」。また就眠時間が、午前1時過ぎになってしまいましたとさ。

担任の先生は、長女あーたんのひとつ年上なだけ。今は風邪で学校をお休みしています。先生が元気になってもまだ揉めるようなら、ちょっと絵本の読み聞かせの帰りに寄って、どんなだか聞いてみましょう。